親へ結婚の挨拶をする時には、どんな流れで行うのがいいか、事前にシミュレーションしておくのがお勧め。ここでは、男性が女性の家に結婚挨拶に行く際の流れを中心にご紹介します。挨拶の言葉やトラブル対策もどうぞご参考に。
男性が女性の家に結婚挨拶に行く際の流れ
結婚の挨拶はまず女性の家から訪問するのが一般的。男性が女性の家に伺って、結婚の挨拶をする流れを見てみましょう。
彼女の家を訪問する
個人の家に伺う場合は、約束の時間ぴったりではなく、5分程度遅れて行くのがマナーとされます。これは相手が訪問に備えて準備をしているのを考慮してのことです。
玄関のチャイムを鳴らす前に、身支度をチェック。コートは脱いで手に掛けておきます。雨天の場合、傘は玄関内に持ち込まず、外に立て掛けておきます。
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玄関先で軽く挨拶
玄関の中に入り、親に迎えられたら、名前を告げて「本日はお時間をとっていただき、ありがとうございます」などと簡単な挨拶をします。
家に上がる際には、正面を向いて靴を脱ぎ、ドア側に向き直って膝をつき、靴の向きを変えて揃えます。
部屋に通されたら、勧められた場所か下座に座る
部屋に通されたら、勧められた場所に座ります。座る場所を指定されなかった場合は、下座に座りましょう。基本的には出入口に近い席が下座となります。
再び挨拶をして手土産を渡す
顔触れが揃ったところでふたたび「●●●●と申します。本日はお時間をとっていただき、ありがとうございます」と挨拶をし、まずは手土産を渡します。
手土産を渡す際は、「甘いものがお好きと伺いましたので……」など、その品物を選んだ理由をさりげなく伝えるといいでしょう。
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自己紹介や雑談で場を和やかに
いきなり本題に入るのではなく、まずは自己紹介や雑談などを。自己紹介では出身地や家族構成、仕事内容などを簡潔に述べます。
また、雑談としてお勧めなのは、天候や軽い時事ネタなど。ただし、賛否両論ある話題については、話がこじれる可能性もあるので、避けた方が無難です。場が盛り上がるように、親が話しやすそうな話題を事前に考えておきましょう。
いよいよ結婚の挨拶!
場が和んできたところで、本題に入ります。「実は今日お伺いしたのは、●●さんとの結婚をお許し頂くためです」などと切り出せばいいでしょう。
和室の場合は座布団から下りて、洋室の場合は起立して、というのがマナーに叶った振る舞いといえますが、その場の雰囲気を見て臨機応変に対応しましょう。和やかな雰囲気であれば、そこまでしなくても大丈夫です。ただし、居住まいは正し、真剣な面持ちで親に対峙します。
男性の結婚挨拶の文例
「●●さんとは3年ほど真剣な交際をさせていただき、これからの人生をともに歩んで行きたいと強く思いました。その思いを先日●●さんにも伝え、受け入れていただきました。ふたりで協力し、幸せな家庭を築いていきたいと思っていますので、どうか結婚を認めてください」
最近は「●●さんをください!」って言うのは、流行らないのかにゃ。
「ください」っていう言い方が前時代的よね。女性は物じゃないんだから。彼女のどこに惹かれたのか、どんな家庭を築きたいのかなどをさりげなく盛り込むのがお勧めよ。
頃合いを見計らい、おいとまする
無事に挨拶が済んだら再び歓談。親から何か質問を受けたら、真摯に答えましょう。訪問の時間は1時間〜1時間30分程度が一般的なので、頃合いを見計らって、「本日はどうもありがとうございました。結婚式など今後のことについては、またゆっくりご相談させてください」などと言い、おいとまを告げます。
女性が男性の家に結婚挨拶に行く際の流れ
女性が男性の家に結婚挨拶に行く際の流れも、男性が女性の家に行くパターンとほぼ同じと考えて問題ありません。男性の家での結婚挨拶でも、男性がイニシアティブを取って進めます。
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男性が進行役を務める
顔触れが揃ったら、まずは男性から自分の親に「今日は時間を取ってくれてありがとう。彼女が●●さんです」と、女性を紹介します。それを受けて女性は「●●●●です。本日はお目にかかれて嬉しいです。地元で評判のお菓子をお持ちしました。お口に合うと良いのですが……」などと言って、手土産を渡します。
女性が軽く自己紹介を
女性が自己紹介しやすいように、男性がきっかけになる話題を振ってあげましょう。例えば、「●●さんは東京下町の生まれなんだよ」など。そこから話をつないで、家族構成や仕事内容などを紹介するといいでしょう。
結婚の挨拶は男性から
結婚の挨拶も男性から行います。彼が一通り挨拶し終わったら、女性もそれに続いて一言挨拶を述べます。
女性の結婚挨拶の文例
△△さんの正義感溢れる優しさに惹かれ、これからの人生をふたりで生きて行きたいと思いました。微力ながら彼を支えて、協力し合い、温かな家庭を築きたいと願っています。どうぞよろしくお願い致します。
おいとまも男性の口から
挨拶が済み、ほどよい頃合いになったら、男性の方から「じゃあ、今日はこのへんで」と、おいとまを切り出します。それを受けて女性は「今日はどうもありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い致します」と挨拶をし、退出します。
なんだか男性任せで、いまどきじゃない気がするにゃ〜。
まあね。でも、最初から女性がイニシアティブを取っていると、親世代には「息子が尻に敷かれている!」と思われちゃうのよ。とはいえ、あまりにモジモジして、彼の陰に隠れるような感じはNGよ。挨拶ではしっかり親の目を見て、芯の強さを感じさせるといいわ。
帰宅後はお礼を伝えよう
挨拶から帰ってきた後は、相手の親へお礼を伝えるといいでしょう。訪問後3日以内がお勧めです。電話やはがきなどが一般的ですが、親がメールやSNSなどを日常的に使っているようなら、そうしたツールでも構いません。
お礼の文例
先日はお忙しいところお時間をいただき、どうもありがとうございました。大変気さくに接していただき、緊張もほどけました。これから結婚式に向けて、いろいろご相談させていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
親への結婚挨拶、こんなときどうする?
おめでた婚の場合はなんて伝える?
最近はそれほど珍しくはなくなってきたおめでた婚ですが、いざ自分の子どもがそうなると、すんなりと受け入れられないという親世代も多いようです。ですから、挨拶の際は「このような順番になってしまい、大変心苦しいのですが、●●さんと産まれてくる子どものために一生懸命に頑張りたいです」など、前向きな言葉を伝えましょう。間違っても「妊娠したから結婚する」といったニュアンスにならないように注意して。
結婚を反対されたら?
なぜ反対なのか理由を聞き、親の不安や不満を解消できるような答えを告げましょう。話が膠着してしまった場合は、あまりむきになって食い下がらない方がお勧め。いったんその場は退出し、改めて話をする機会を設けます。誰か信頼ができる人に間に立ってもらうことを考えてもいいかもしれません。
相手の親のことはなんて呼んだらいい?
まだ結婚していないのですから、「●●さんの、お父さん、●●さんのお母さん」と呼ぶのが正しいでしょう。ただし、少し回りくどい感じもあるので、普通に「お父さん、お母さん」でも構いません。とはいえ、相手の親が非常に厳格だったり、マナーにうるさかったり、ふたりの結婚をあまり快く思っていないような場合には、「●●さんの、お父さん、●●さんのお母さん」とした方が無難です。
そうそう、相手を呼ぶときにも気を付けてね。いつも呼びつけにしているからといって、相手の親の前でも呼びつけにすると、親が気分を害するかもしれないわ。名前にさん付で呼ぶのがいいと思うわ。
相手の親から食事を勧められたら
結婚の挨拶で場が和やかになれば、相手の親から食事を勧められることもあるでしょう。マナーとしては一度は断り、再度勧められたら受けるというのが正しいとされますが、そこまで神経質になることはないかも。とくに手料理を用意している場合などは、「喜んでご馳走になります!」と言った方が、好感度は高いようです。
食事をしている中で、嫌いなものが出された場合は、無理に食べなくても大丈夫です。無理に食べると、次からも同じ食材を出されてしまう可能性があるので、最初に断ってしまうのが得策です。
また、お酒好きな親の場合、「まあ一杯!」などとお酒を勧められることもあるでしょう。もちろん飲んで構いませんが、飲みすぎには注意。あまりお酒が強くない場合は、その旨を伝えて断ってもOKです。
相手の親から宿泊を勧められたら
相手の親が遠方に住んでいて泊まりがけで挨拶に行く場合は、基本的には自分で宿を取ります。その旨は親にも事前にしっかり伝えておきましょう。それでも、親から家への宿泊を勧められた場合は、「もう宿を取っているので」「明日の朝は早く出発しなくてはならないので」などと断るといいでしょう。「どうしても」と強く勧められ、断ると関係が悪化しそうな場合は、「では、お言葉に甘えて」と申し出を受けます。
親への挨拶って緊張する場面だけど、これを読んで頑張ってにゃあ。
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